【登辞林】(登記関連用語集)


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パーチェス法 合併や吸収分割等の企業結合における会計処理方法の1つ。被結合企業から取得した資産や負債の取得原価を、その対価として交付する現金や株式等の時価をもって評価する方法。国際的な会計基準として採用されている。(→持分プーリング法

(株)ハートクレジットサービス 昭和58年2月12日設立。平成1年4月1日、第一勧銀カード(株)に商号変更。

配偶者 婚姻により夫婦となった一方から見た他方。婚姻により配偶者としての身分を取得し、婚姻の解消又は婚姻の取消により配偶者としての身分を失う。配偶者は親族であるが、親等はなく、また、夫婦の他方の相続につき、常に相続人となる。配偶者を有する者は、所得税に関して、一定の要件のもと、配偶者控除又は配偶者特別控除を受けることが出来る。なお、健康保険法(大正11年4月22日法律第70号)における「被扶養者」の配偶者には内縁関係にある者を含むとされている。

廃除 一般的には、廃し、除くこと。民法上は、遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対し、虐待、重大な侮辱を加えたとき、又は、推定相続人にその他の著しい非行があった場合に、被相続人が、その推定相続人を除外するように家庭裁判所に請求することができるとするもの(民法892条)。遺留分を有する推定相続人が廃除の対象であるので、兄弟姉妹は除かれる。被相続人はいつでも、排除の取消しを家庭裁判所に請求でき、又、廃除及び廃除の取消しは、遺言によってもすることができる。

配達記録 郵便物の引受と配達の記録。休日の配達や当日中の再配達、郵便追跡サービスにより、インターネット上で配達状況確認をすることができる。

配達証明 一般書留郵便物等の配達した事実の証明。発送後1年以内に限り、差出後に請求することもできる。その際、発送時の受領証の提出が必要となる。

配当留保供託 強制執行手続きの配当を受けるべき債権者の債権が、一定の配当障害事由に該当する場合、その配当等の額に相当する金銭を供託所が保管し、障害事由が消滅した際に配当等を実施するため、裁判所書記官がする供託。配当障害事由には、次のものがある(民事執行法第91条第1項等)。
1.債権が停止条件付又は不確定期限付であるとき
2.仮差押債権者の債権であるとき
3.強制執行の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の正本、又は、不動産担保権の実行の手続の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の謄本が提出されているとき
4.その債権に係る抵当権等の実行を一時禁止する裁判の正本が提出されているとき
5.その債権に係る抵当権等につき仮登記又は民事保全法第53条第2項に規定する仮処分による仮登記がされたものであるとき
6.仮差押又は執行停止に係る差押の登記後に登記された抵当権等があるため配当額が定まらないとき
7.配当異議の訴えが提起されたとき
(→不出頭供託

売買 当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することで効力を生ずる契約(民法第555条)。対象となる財産権には、動産、不動産の他、債権等、譲渡性のある財産が含まれる。売買契約は、有償契約双務契約であり、また、諾成契約である。不動産取引等、重要な財産の売買においては、通常、売買契約書を作成するが、契約書の作成は契約成立の要件ではない。
売買契約は、他人の権利を売買の目的とすることも可能であり、その場合、売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負う(民法第560条)。
売買の規定は、契約の性質がこれを許さない場合を除き、売買以外の有償契約に準用される(民法第559条)。
(→瑕疵担保責任)(→買戻しの特約)(→手付)(→他人物売買)(→数量指示売買

売買の一方の予約 契約の当事者の一方が売買の完結の意思表示をした時から、もう一方の当事者の意思表示を待たずして、売買の効力が生じるとされる売買の予約(民法第556条)。(→予約完結権

端株(はかぶ) 会社法(平成17年7月26日法律第86号)施行前の改正前商法に規定されていた、1株に満たない端数で、1株の100分の1の整数倍に当たるもの。端株の制度と単元株の制度は、株主管理コストの削減、会社の事務負担の軽減という目的において共通する制度であったため、会社法においては、単元株制度に統一され、端株制度は廃止された。会社法施行の際、現に存する端株については、そのまま存続する(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第86条第1項)。

端株原簿 会社法(平成17年7月26日法律第86号)施行前の改正前商法に規定されていた、端株主の住所・氏名、各端株主の有する端株の1株に対する割合、各端株の取得年月日など、端株に関する事項を記載又は記録した帳簿。会社法においては、端株の制度は廃止され、新規に端株が発行されることはないが、会社法施行の際、現に存する端株については、なお従前の例によるものとされているため、既存の端株原簿に関する事務は、端株原簿名義書換代理人が取り扱う(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第86条1項)。

端株原簿名義書換代理人 会社法(平成17年7月26日法律第86号)施行前の改正前商法に規定されていた、端株原簿に関する事務を取り扱う名義書換代理人。会社法においては、端株の制度は廃止され、新たに端株を発行することはできないが、会社法における株主名簿管理人が改正前商法の端株原簿に関する事務を取り扱うとする規定は存在せず、又、会社法施行の際、現に存する端株については、なお従前の例によるものとされているため、既存の端株原簿に関する事務は、端株原簿名義書換代理人が取り扱う(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第86条第1項)。

バグ(bug) 「虫」の意から、転じて、コンピュータのプログラムの不具合、欠陥のこと。(→デバッグ

派遣労働者 労働者派遣法上、事業主が雇用する労働者であって、労働者派遣の対象となるもの(労働者派遣法第2条第2号)。

破産管財人 破産手続きにおいて、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権限を有する者(破産法(平成16年6月2日法律第75号)第2条第12項)。破産管財人は、裁判所が選任し、法人もこれになることができる(破産法74条)。破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、破産管財人に専属し、破産管財人が、不動産その他財産権の任意売却・譲渡、営業・事業の譲渡、借財、訴えの提起、権利の放棄等、一定の行為をするには、裁判所の許可を得なければならない(破産法第78条)。
破産管財人が不動産を任意売却した場合の所有権移転登記申請においては、次の書面の添付を要する。
1.裁判所書記官により交付される破産管財人の選任を証する書面(破産規則第23条第3項)、又は、破産者が法人である場合には法人の登記事項証明書(破産法第257条第2項参照)
2.裁判所書記官により交付される破産管財人の選任を証する書面に破産管財人の印鑑を証明した旨を記載したもの(破産規則第23条第4項)(なお、この証明書については、作成後3ヶ月以内であることを要しないと考えられている(登記研究709号199頁))、又は、破産管財人の市区町村発行の印鑑証明書(不動産登記令第16条第2項、第18条第2項)
3.裁判所の許可書(不動産登記令第7条第1項5号ハ)
破産管財人が不動産を任意売却した場合の所有権移転登記申請においては、登記済証、又は、登記識別情報の添付を要しない(昭和34年5月12日民甲第929号民事局長通達、登記研究139号43頁)。

破産財団 破産法上、破産手続において、破産管財人に管理及び処分をする権利が専属する、破産者の財産・相続財産・信託財産(破産法(平成16年6月2日法律第75号)第2条第14項)。

パススルー課税 利益を得た組織には課税せず、その組織の構成員に課税する課税方法。通常、利益を得た主体が法人格を有する場合、まず法人の利益に対して課税され、次いで法人の構成員に利益を配当すると構成員の所得に対して課税されるが、この場合の法人にあたる中間の主体には課税されない仕組み。構成員課税とも呼ばれる。(→LLP)(→有限責任事業組合

パスポート(passport) (→旅券

 不動産登記規則第99条に規定されるの土地の地目のひとつで、農耕地で用水を利用しないで耕作する土地。牧草栽培地は畑とされるが、牧場地域内にあるものは、牧場とされる(不動産登記事務取扱手続準則第68条)。(→農地

発行可能株式総数 株式会社が発行することができる株式の数の上限。発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、発起設立の場合は、発起人全員の同意によって、募集設立の場合は、創立総会の決議によって、定款を変更してその定めを設けなければならない(会社法第37条第1項、第57条第1項、第98条)。発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。(会社法第37条第2項)。設立しようとする株式会社が公開会社でない場合を除き、設立時発行株式総数は発行可能株式総数の4分の1を下ることができない(会社法第37条第3項)。株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができず、定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない(会社法第113条第1項、第2項)。株式会社が公開会社でない場合を除き、定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、発行済株式の総数の4倍を超えることができない(会社法第113条第3項)。新株予約権者が新株予約権を行使することにより取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から、自己株式を除く発行済株式の総数を控除して得た数を超えてはならない(会社法第113条第4項、第282条)。

発行可能種類株式総数 種類株式発行会社が発行する株式について、それぞれの種類株式について発行することができる株式の数の上限。株式会社は、内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない(会社法第108条第2項)。

発信主義 隔地者に対する意思表示について、表意者が通知を発したときにその効力を生ずるとする考え方。民法は、原則的に、到達したときに効力を生ずるとする「到達主義」を採用しているが、隔地者間の契約は、申込みに対する承諾の通知を発した時に成立する(民法第526条1項)として、例外的に、「発信主義」が採用されている。

払込期間 会社法上、設立時募集株式又は募集株式を発行する場合において、それらと引換えにする金銭の払込みをすべき期間をいう。払込期間に代えて払込期日を定めることもできる。設立時募集株式の引受人は、払込期間内に払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う(会社法第63条第3項)が、設立時募集株式の引受人が株主となるのは会社が成立した日であり、払込みをした日に株主となるのではない(会社法第102条第2項)。募集株式の引受人は、払込期間内に出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う(会社法第208条第5項)。募集株式の引受人が、払込期間内に出資の履行をした場合に株主となるのは、出資の履行をした日である(会社法第209条第2項)。

払込期日 会社法上、設立時募集株式、募集株式、募集新株予約権又は募集社債を発行する場合において、それらと引換えにする金銭の払込みをすべき最終日をいう。設立時募集株式及び募集株式を発行する場合においては、払込期日に代えて払込期間を定めることもでき、募集新株予約権を発行する場合においては、金銭の払込みを要しないとすることができる。設立時募集株式の引受人は、払込期日までに払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う(会社法第63条第3項)が、設立時募集株式の引受人が株主となるのは会社が成立した日であり、払込期日に株主となるのではない(会社法第102条第2項)。募集株式の引受人は、払込期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う(会社法第208条第5項)。募集株式の引受人は、払込期日前に出資の履行をすることも可能だが、株主となるのは、払込期日である(会社法第209条第1項)。募集新株予約権の引受人は、当該新株予約権を行使することができる期間の初日の前日又は会社が払込みの期日を定めているときにはその期日までに、募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならず、それをしないときには、当該募集新株予約権を行使することができなくなる(会社法246条)。なお、募集新株予約権の引き受け人が新株予約権者となるのは割当日であり、払込みの有無とは無関係である(会社法第245条)。

パラリーガル(paralegal) 弁護士の法律業務を補助する者。欧米では、法律事務の専門職として、一般的な存在。

バランスシート(Balance Sheet, B/S)

バルクセール(bulk sale) 大量の債権や不動産をまとめて売却すること。"bulk"は「大きさ」「かさ」「大量の」「容量の多い」等の意味。

判事 裁判官の官名のひとつで、高等裁判所地方裁判所家庭裁判所に置かれる。判事は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する(裁判所法第40条第1項)。
高等裁判所では、高等裁判所長官以外の裁判官が判事であり、 最高裁判所では、最高裁判所長官以外の裁判官が最高裁判所判事と呼ばれ、簡易裁判所の裁判官は、簡易裁判所判事と呼ばれる(裁判所法第5条第1項、第2項)。

判事補 裁判官の官名のひとつで、裁判官になってから10年未満の者。地方裁判所家庭裁判所に置かれる(裁判所法5条2項)。判事補は、司法修習生の修習を終えた者の中から、 最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する(裁判所法第40条第1項、第43条)。
判事補は、原則、一人で裁判をすることができず、同時に2人以上が合議体に加わり、又は裁判長になることができないが、「判事補の職権の特例等に関する法律(昭和23年7月12日法律第146号)」に特例が規定されている(裁判所法第27条)。

反致 (1)渉外法律事件において、外国の国際私法の規定も考慮にいれて準拠法を定めること。
(2)日本の国際私法によれば準拠法は当事者の本国法となる場合において、その国の国際私法に従えば日本法が準拠法となる場合には、日本法を準拠法とすること(法の適用に関する通則法第41条)。

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